間違えると危険!正しい電池の保管方法とは
昨今、スマートフォンのモバイルバッテリーによる火災の報道が目に付きます。東京消防庁管内だけでも、モバイルバッテリーなどに使われるリチウムイオン蓄電池に関係する火災が2020年には105件も起きているそうです。
一方で、リモコンや時計など身近なところで広く使われている乾電池やボタン電池についても、正しく取り扱わないと思わぬ危険があることをご存じでしょうか。過去にはホームセンターが全焼するといった火災も起きています。本記事では、安全な乾電池の保管方法について解説します。
電池の危険性
電池の危険の代表的なものは、「火災」、「液漏れ」、「誤飲」の3つです。
乾電池を適当に保管していると端子がショートして火災になる可能性があります。使用済みの電池であっても、電気を発生する能力は残っていることもありますので注意が必要です。
また、乾電池の中には「電解液」という化学物質が入っています。保管や使用の方法が適切でないときには、乾電池から電解液が漏れ出す可能性があります。電解液は人体に有害な液体であり、化学やけどの原因となるほか目に入ったりしたときには最悪、失明のおそれもあります。もし、液漏れしてしまったら、漏れた液に触れないように注意して下さい。
小さいお子さんのいるご家庭で特に注意していただきたいのが誤飲です。窒息や、体の中で粘膜に接触して化学やけどとなるなどの危険がありますので、お子さんの手の届かないような管理が必要です。
電池の正しい保管方法
乾電池からの火災や液漏れを防ぐためには、正しい使用・保管をすることが重要です。以下で乾電池の正しい保管方法について解説します。
電池を傷つけないように保管
電池パッケージは電池を安全に保管するために重要なものです。もし、電池パッケージから取りだしてしまった状態で保管をするときには、電池を傷つけないようにしてください。特に、乾電池の表面を覆っている絶縁フィルムがはがれたままで使用したり保管すると、ショートする可能性が高くなりますので危険です。外観に異常がある電池は使わないようにして下さい。
電池は種類別に分けておく
乾電池の種類やメーカを混ぜて使用すると、電池の性能のばらつきから異常が発生して発火や液漏れといった危険が起こる可能性があります。電池を種類別や使用推奨期限別に分けて保管すると間違えが減らせますのでお勧めです。電池を整理して保管する専用の電池ケースも販売されていますが、プラスチック製のケースで大丈夫。電池のサイズにちょうどぴったりのペンケースなどもあるようです。身近なもので探してみて下さい。きちんと整理されていると気持ちいいですよね。
使用済みの電池には電極にテープを貼る
使用済みの電池とはいっても、完全に電気が発生しなくなったわけではありません。使用済み電池をそのまま捨ててしまうと、電極同士が接触して火災になる可能性があります。使い終わった電池は、電極にセロハンテープやガムテープを貼っておきましょう。
金属製品と一緒に保管しない
ゼムクリップや、ヘアピンなどの金属は、ご存じのとおり電気を通す性質を持っています。電池と金属製品を一緒にすることで、電池をショートさせてしまうかもしれません。実際、ポケットの中にクリップと電池を入れていたところ、ショートして発熱したという事例もあるそうです。
電池の保管温度
電池メーカが適切な保管温度として指定している温度は、10~25℃が多いようです。意外と低いですよね。高温にさらされると、電池の性能の劣化や液漏れのリスクがあります。最大でも30~35℃以下になるよう電池の保管場所に工夫が必要です。
また、乾電池に湿気は大敵です。湿気の多いところでの保管によってさびが生じたり、冷蔵庫のように極端に冷えた場所で保管した場合、そこから取り出したときに表面が結露することでショートする危険も考えられます。
ポケットでのショートの事例 東京都生活文化スポーツ局の相談事例
電池自体の安全性を確認
乾電池を選ぶときに、何を見て購入を決めていますか。電池の安全性はどれでも同じということはなく、例えば長期保存をしても電池の劣化が少ない電池や、液漏れがしにくいという特徴を持った電池もあります。電池がなくなったままリモコンや時計を放置しておくと液漏れしやすくなります。そういったリスクを減らすためにも、安全性も乾電池を選ぶ一つの基準にしませんか。
身近にある電池だからこそ正しい取扱いが大事
今や電池は日常的に欠かせないものです。家電を多く使用しているご家庭、とくに子供のおもちゃが多いような場合は、電池をまとめ買いしているケースもあるのではないでしょうか。電池をまとめて購入すること自体に問題はありませんが、保管方法には気を配らないといけません。基本的に電池のパッケージには、保管方法に関する注意書きが記載してあるので、確認しておきましょう。